相続全般について
- わが家にはたいした財産はないのですが、相続手続が必要ですか?
- 相続手続きをせずにそのまま放っておくとどうなるのですか?
- どんな場合に相続税がかかるのですか?
- 相続税の控除対象にはどういうものがあるのですか?
- 仏壇やお墓は相続の対象になるのですか?
わが家にはたいした財産はないのですが、相続手続が必要ですか?
亡くなられた方が土地や建物などをお持ちでなかったとしても、亡くなった方名義の預貯金や保険、生前に乗っておられた自動車などはやはり財産となります。
相続税の対象とならない場合でも、金融機関や保険会社での手続き、自動車の名義変更などは必ず行わなければなりません。
その前提として、相続人の方のご協力が必要となってきます。
したがって、相続の手続きがいっさい必要のない方というのは、基本的にはいらっしゃらないと思います。
相続手続は遺産の金額にかかわらず、ほぼすべての方にとって必要な大変重要なものだといえます。
「わが家には・・・」と思われずに、お気軽にご相談されることをおすすめします。
相続手続きをせずにそのまま放っておくとどうなるのですか?
相続の手続をしないまま放っておくと、後になってから面倒なトラブルに巻き込まれることがあります。
たとえば、お父様が亡くなった手続きをそのままにしておいたまま、お母様が亡くなると、二次相続ということになり、登記のなどの手続きをとらないと相続自体が行えないこともあります。
また、遠方に在住されたり普段お付き合いのない他の相続人の方のご協力が必要となるなどで、思わぬ労力や時間を要してしまうことも少なくありません。
のちのちの混乱やトラブルを避ける意味でも、あらかじめきちんと手続しておくことをおすすめします。
どんな場合に相続税がかかるのですか?
相続税は最近の法改正でも話題になっていますが、相続財産の総額によってかかる場合とかからない場合があります。
具体的には、相続財産の総額が「5000万円+(1000万円×法定相続人の数)」よりも少ない場合には、相続税はかかりません。
たとえば、お父様が亡くなり、奥様とお子様2人が相続人の場合は、法定相続人は3人ですから、基礎控除額は次のようになります。
5000万円+1000万円×3人=8000万円
つまり、相続財産が8000万円以下の場合は、相続税はかからないということになります。
実際のところ、基礎控除額が高いため、相続税がかかるのは20人に1人程度といわれています。
かつては相続税はお金持ちのための制度ともいわれていましたが、相続税法の改正によって今ではかなり身近な制度となりつつあります。
持ち家やマンションがあったり、株式や預貯金などの資産を合計すると相続税がかかるというケースも増えてきていますので、あらかじめ専門家に依頼するなどして手続きに万全を期していただきたいものです。
相続税の控除対象にはどういうものがあるのですか?
故人が借金を残して亡くなったときなど、特定の債務を残して亡くなった場合には、相続財産から差し引いて相続税を計算できることがあります。
控除対象となる債務には、具体的には以下のようなものが挙げられます。
銀行からの借金
故人が銀行からの借金を残して亡くなった場合、相続人はその残額と利息を支払うことになりますが、相続財産からは控除されます
税金の未納分
故人に所得税・住民税・固定資産税などの未納分があった場合には、相続人はそれらを支払うことになりますが、相続財産からは控除されます
事業上の買掛金・未払い金
故人が事業をしていた場合には、相続人は買掛金・未払い金などを支払う必要がある場合がありますが、それらは相続財産から控除されます
また、葬儀費用は控除することができますが、香典返しの費用、墓地などの購入費用、法要の費用などは相続財産から差し引くことはできません。
仏壇やお墓は相続の対象になるのですか?
仏壇や位牌、お墓、家系図などは故人の一身専属的な所有物であるため、相続の対象とはなりません。
一般的には、仏壇等を管理していく「祭祀承継者」を所有者として定めることになります。
祭祀承継者は、故人の指定があればその指定された方となりますが、なければ地方の慣習によります(長男など)。
上記によらない場合には、最終的には家庭裁判所で決めることとなります。