相続トラブルは資産家でない方が多い?
相続税の改正もあって最近は相続に関心を持たれる方も多くなってきましたが、それでも「相続って、お金持ちの話なのでは?」と考える方がまだまだ多いようです。
「うちはたいした不動産もないし、預貯金もしれているので、家族同士でもめようがない・・・」。
これが、一般的な常識なんだと思います。
ところが、実際は逆なのです。
ある統計によると、いわゆるお金持ちの相続トラブルはほぼ横ばいなのに対して、それよりも遺産が少ない庶民的な家庭のトラブルは増え続けているのです。
2014年の例でいうと、遺産5,000万円以下の相続トラブルは全体の約8割で、1,000万円以下が約3割を占めているのです(司法統計)。
その背景としては、相続税の改正等のトピックが脚光を浴びたことによる相続への関心の高まりもありますが、比較的資産が少ない方は遺言を残さないなど相続対策を取らないケースが多いこともあります。
「金持ち喧嘩せず」ではないですが、資産家の方の相続トラブルが意外にも少なく、庶民的な家庭におけるトラブルが増えつつあるのが今の時代です。
「相続なんて、私たちには・・・」と思われずに、これからの家族の幸せのためにも事前の準備を考えていきたいものです。(小岩 広宣)