戸籍の種類について
相続人の確定のためには戸籍の収集・調査が欠かせませんが、ひとくちに「戸籍」といってもさまざまな種類があります。
現在のコンピューター化された戸籍と明治・大正時代の戸籍とはまったく別物に近く、慣れておられない方が見てすぐに判読されるのは困難だと思います。
私たちが目にする戸籍は、おおよそ次の4種類に分けることができます。
明治31年式戸籍
明治31年7月16日~大正3年12月31日
私たちが通常目にする最も古い形式の戸籍です。
旧民法の家制度により、家単位の戸籍が作られています。
大正4年式戸籍
大正4年1月1日~昭和22年12月31日
明治31年式がベースですが、戸主の読み解きが難しい戸籍です。
昭和23年式戸籍(現行戸籍)
昭和23年1月1日~現在
現行の戸籍法に基づく戸籍であり、夫婦と子を単位に戸籍が作られています。
コンピューター化された現行戸籍
昭和23年式戸籍が、コンピューター化された戸籍です。
平成6年以降、市町村ごとにコンピューター化が進められています。
コンピューター化された現行戸籍はスムーズに読むことができますが、明治31年式、大正4年式を読み解くことはかなり困難です。
実際の相続人調査にあたっては、明治・大正時代の戸籍を手にすることが必要なケースがほとんどです。
戸籍は、年代による形式が分からないと、そもそも正確に読むことができません。
大切なご家族のこれからのためにも、戸籍の基礎知識をお持ちになった上で専門家等に手続きを委ねることをお勧めします。(小岩広宣)